ウェールズ語講座 Uned 1. あいさつをしよう

Cwrs Cymraeg

アラビア人はサラーム(挨拶)を5分ぐらい続ける事もあるぐらい挨拶を大切にするようです。

そこまではいかなくともウェールズ語でも挨拶は重要です。パリの店やカフェではフランス語で最初に挨拶すれば対応が異なったりしますが、ウェールズでもウェールズ語で挨拶すればその瞬間からあなたもウェールズ人です。

では、典型的な挨拶だけでも覚えていおきましょう。

出会ったときの挨拶

Bore da.

ボレ・ダ
おはよう(good morning)

Prynhauwn da.
プリンハウン・ダ(もしくはプリノウン・ダ)
こんにちは(good afternoon)

特に後者の発音の場合はp’nawn daと綴る場合がよくあります。

Noswaith dda.

ノスウェ`ス・`ザ
こんばんは(good evening)

Sut mae.
シュマイ
こんにちは。

英語でいうところのhello程度の言葉。

“sut"は"how"なので、クエスチョンマークを伴って"Sut mae?"とかく方も方法もありますが、肯定文で構いません。下記の"how are you?"相当の言葉とは違い、特に答えを聞いている文ではありません。あくまで、「こんにちは」程度の文です。"Sut mae."といわれたら、下記の文を使って"Sut mae. Sut dych chi?"とでも言っておけば結構です。もちろん、元気だ、ぐらいを返しても構いません。

これをスペル通り読むとシト・マイですが、普通シマイ(N.W.)またはシュマイ(S.W.)と読まれます。

これを反映して、それぞれ次のようにも綴られることがあります。

  • S’mae. (もしくは S’mai) N.W.
  • Shwmae. (もしくは Shwmai) S.W.

見ればわかるように、この二つは発音通りに綴ったものです。ただ、シマイにせよシュマイにせよ「書く」場合にはSut maeと書くことを勧めます。人よっては発音通りに綴っている場合もある、という程度の認識で構いません。「Sut mae = シマイ/シュマイ」で覚えましょう。私はLlambedの人なので、シュマイで覚えています。

「どうですか」と聞く

Sut rydych chi?
シト・ラディ`キ
(あなたは)いかがですか?

これは会話では普通(特にLlambed辺りでは)次のように略して言われます。

Sut ydych chi?
シト・アディ・`キ(シュタディ`キ)
Sut 'dych chi?
シュ・ディ`キ(もしくはシュ・ダ`キ)
dychのアポストロフィは書かなくても構いません。

下の方がより会話的です。
この省略に関してはrydychを扱う際にもう少し詳しく述べます。

Sut wyt ti?
シト・オイティ
(あなたは)いかがですか?

上記と意味は同じですが、これは親しい友人に用いたり、老人が子供に用いたりする文です。

友人関係にあるのならば、こちらで構いません。

大抵の西欧の言語では二人称単数と二人称複数とでは形が異なります。

“Sut wyt ti?"は二人称単数形、"Sut dych chi?"は本来は二人称複数形です。ただし西欧言語では、二人称複数形を二人称単数形として日常では用いる、ということがしばしばあります。フランス語では二人称単数のtuではなく、二人称複数のvousを二人称単数として日常的には使います。英語でも二人称複数のyouを単数として使いますよね。英語ではthouという一人称単数があるのですが、現在では滅多に使わないものになってしまいました。

こういった言語では、敢えて二人称単数形を使うと、インフォーマル、よく言えば親しみを込めた形、悪く言えばややぞんざいな感じで聞こえます。
ですので、友人同士なら、Sut wyt ti?を用い、あんまり親しくない人や目上ならSut (ry)dych chi?を用いる事になるのです。

“Sut (ry)dych chi?"は先述の通り、本来複数形ですので、「あなた達はどうですか?」という意味にもなります。これは英語と同じですね。

三人称についても同じように訊くことが出来ます。

Sut mae e?
シト・マイ・エ
彼はどうですか?
Sut mae hi?
シト・マイ・ヒ
彼女はどうですか?
Sut mae Tom?
シト・マイ・トム
トムはどうですか?
Sut maen nhw?
シト・マイン・フ(もしくはシュ・マイ・ヌゥ)
彼らはどうですか?
Sut mae’r plentyn?
シト・マイル・プレンティン
子供はどうですか?
Sut mae’r plant?
シト・マイル・プラント
子供達はどうですか?

上記に関しても「シュマイ・エ」等と発音すればよいかと思います。

plentynとplantのところで出てきているmae’rは、theを意味する定冠詞ynがmaeの後ろに来た結果、母音が続いたので省略された形です。この様にynのmaeに母音があると、省略することが出来ます。

三人称複数形(彼ら)の時と、名詞が複数形(子供達)の場合に形が違うことに注目してください。

名詞が複数形の場合、三人称複数扱いではなく、三人称単数名詞の時と同じ形になります。

返しかた

Iawn.
イァウン
元気です。
Da iawn.
ダ・イァウン
とても元気です。
Eitha da.
エイ`サ・ダ
非常に元気です。
Gweddol.
グウェ`ゾル
まぁまぁいいです。
Wedi blino.
ウェディ・ブリノ
疲れてます。

たいていの場合(特にポジティヴな返事の場合)、"I’m fine, thanks."の様に、「ありがとう」をつけます。

したがって:

Da iawn, diolch.
ダ・イァウン・ディオル`ク

のように言います。

ちなみに、"Thank you very much."と言うフレーズは上記の"diolch"に"very much"を意味する"yn fawr"をつけて表現します。

Diolch yn fawr.
ディオル`ク・アン・ヴァウル

英語でも、そのあとに"And you?"と聞くように習いましたが、同じように「あなたはどう?」と訊きましょう。

A chi?
ア・`キ
A ti?
ア・ティ

時間を表す語を入れる

ウェイルズでは時間・日を示す語は文末に入れます。

したがって、次のように言うことが出来ます。

Sut dych chi y bore 'ma?
シュ・ディ`キ・ア・ボレ・マ
(あなたは)今朝はいかがですか?
もちろんboreの部分をp’nawnやnoswaith等に変更できます。

“'ma"は「この」や「ここ」を意味するymaの短縮形です。"bore"の前の"y"は定冠詞です。"this morning"は限定されますので、"y"をつけます。

Sut dych chi heddiw?
シュ・ディ`キ・ヘ`ズィウ?
今日はどうですか?

別れ際

感覚としては英語と同じです。適当に表現を変えて訳しているものもありますが、まぁ、どれも似たようなものです。

Hwyl.
ホウィル
さよなら。ごきげんよう。
Pob hwyl.
ポブ・ホウィル
さようなら。お元気で。
Pob lwc
ポブ・ルゥク
さようなら。お元気で。Good luck!
Da boch chi!
ダ・ボ`キ
さようなら(good-bye)
Nos Da!
ノス・ダ
おやすみなさい。
(G)wela i chi fory.
(グ)ウェラ・イ・`キ・ヴォリィ

明日会いましょう(see you tomorrow)

この文の場合、文頭のGは脱落し、読まない・書かないことが多いです。

また、「明日」は"yfory"なのですが、"y"が脱落してしばしば"fory"となります。

(G)wela i chi wythnos nesaf.
(グ)ウェラ・イ・`キ・ウィ`スノス・ネサヴ

来週会いましょう(see you next week)

これでとりあえず出会ったときの挨拶、別れ際の挨拶はばっちりです。

この記事の内容は公開当時の研究結果及び見解を伝えるものです。その後の法令情勢の変化や、見解の変更、学術的なコンセンサスのアップデートなどもありえますので、貴殿がアクセスされた時点での正確性などを保証するものではありません。

Posted by dzlfox