ウェールズ語講座 Uned4. 現在形 肯定文 – 1 名詞で表現
挨拶が終わり、天気も話題も終われば、自分がどういう人間であるかを言いたくなると思います。
ここでは、現在形を使って自分の事を述べましょう。
関西ウェールズ会のウェールズ語勉強会ではBBC Walesのテキストに沿って、「私は~する」という文は習いましたが、「私は~です」という文は習っていないように思います。別に特に難しい話でもないので、一緒に覚えてしまいましょう。
で、まずは「私は~です」という文からです。
「私は~です」と言う
- Rydw i’n fyfyriwr.
- ラドゥ・イン・ヴァヴァリウール
- 私は(男の)学生です。
- Rydw i’n fyfyrwraig.
- ラドゥ・イン・ヴァヴァルゥライグ
- 私は(女の)学生です。
この文を、"i’n"を"i yn"に分解しつつ、構造を考えて見ましょう。
動詞前虚辞 | BOD諸形 | 代名詞主語 | 付加辞「進行・状態」 | 述部 [名詞S.M.] | 終止符 |
---|---|---|---|---|---|
R | ydw | i | yn | fyfyriwr | . |
(水谷を参照しつつ作成)
この表から見てわかるように、BODの一人称現在肯定形のRydwは"R + ydw"に分かれることがわかると思います。
この最初の"R"は「肯定文」を表す要素です。要するに、ウェイルズ語の一人称に関しては、文頭から「肯定文でッせ~」と宣言して始まっているのです。
が、話し言葉ではしばしばこの"R"が抜けてしまいます。さらに、ついでに"ydw"の"y"も抜けてしまいます("y"の音の弱さが関係あるやも)。"R"も"y"も抜けてしまえば"Dw"(ドゥ)です。従って、会話では:
- Dw i’n fyfyriwr.
- ドゥ・イン・ヴァヴァリウール
ということが良くあります(特にS.W.ではこちらが主流のようにも思います。Llambedで先生にRydwの形の事を聞いたら、「それはちょっと古い形」と言われました。N.W.では古くはないようですが)。
普通のカジュアルなウェイルズ語の文を書く時も"Dw"でいいのですが、きちんとしたい人は"Rydw"で書いたほうが良いでしょう。もっときっちりしたい人は文語文の形を覚えてください。ここでは扱いませんが。
で、文で書く場合、"Dw"の前に「省略されてます」ということを示す為にアポストロフィをつけ、['Dw]と書く場合もあります。ただ、まぁ、単語の頭なので、アポストロフィは別につけなくても良いでしょう。
名詞で表現する際の注意点
「学生」の男性形は"myfyriwr"、女性形は"myfyrwraig"(マヴァルゥライグ)です。上記の例文では両方とも語頭の"m"が"f"に変わっていることに注目してください。
実は、上記の表で言うところの付加辞の"yn"の後ろに名詞が来た場合、その名詞はSoft Mutation(ソフト・ミューテイション; 軟音変化; 以下S.M.)を起こします。(S.M.変化表参照)
Uned 2.で天気のことを扱ったときに、「付加辞"yn"の後ろの名詞・形容詞はS.M.を起こす」と述べました。天気の時は形容詞が問題になっていましたが、ここでは名詞が問題になっているのです。
表を見ればわかるように、S.M.を起こす文字は決まっていますので、それにあてはまらない文字が語頭に来る単語は女性形であっても変化しません、
- Rydw i’n athro.
- ラドゥ・イン・ア`スロ
- 私は(男の)先生です。
- Rydw i’n athrawes.
- ラドゥ・イン・ア`スラウェス
- 私は(女の)先生です。
男性形/女性形の違いは見られても、S.M.が起こっていないから語頭は同じなのがわかると思います。
これで少なくとも自分の職業は言えました。次は動詞を使って、自分がどんな人物なのか言いましょう。
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