ウェールズ語講座 Uned 5. 現在形 肯定文 2 – 動詞で表現
前回は名詞を用い「私は~である」を習いましたが、次は動詞を使って「私は~する」という表現を習いましょう。
動詞を用いて「私は~する」と言う
- Rydw i’n byw yn Kyoto.
- ラドゥ・イン・ビィウ・アン・キョウト
- 私は京都に住んでいます。
- Rydw i’n gweithio yn Osaka.
- ラドゥ・イン・グウェイ`シオ・アン・オオサカ
- 私は大阪で働いています。
- Rydw i’n siopa yn Kobe.
- ラドゥ・イン・ショッパ・アン・コウベ
- 私は神戸で買い物をします。私は神戸で買い物をしています。
以上はウェールズ語勉強会でメインで習ったフレーズです。
「買い物」のフレーズで現在形と現在進行形を示唆する二つの日本語の訳をつけています。
実はウェイルズ語の現在形は、英語で言うところの現在形と現在進行形の2つをカバーしているのです。3番目の文は、「私はよく神戸で買い物をしている」という意味と「私は今神戸で買い物をしている」という意味の二通りに取れます。
一見ややこしそうですが、そんなにややこしく考える必要はありません。
「今現在」を強調したければ、「今」(nawr[S.W.]; rŵan[N.W.] )や「現在」(ar hyn o brid)といった語等を文末につければ良いだけです。あとは、まぁ、文意解釈ですねぇ。
このブログでは、訳を載せる時、適宜どちらかの文意で訳しますが、どちらの意味もある事を頭の隅にでも入れておいたほうが良いと思います。
この文を、前回と同じく"i’n"を"i yn"に分解しつつ、構造を考えて見ましょう。
動詞前虚辞 | BOD諸形 | 代名詞主語 | 付加辞「進行・状態」 | 述部 [動詞的名詞] | 述部 [副詞] | 終止符 |
---|---|---|---|---|---|---|
R | ydw | i | yn | byw | yn Kyoto | . |
前回の名詞の時を比べてください。名詞の時と同じように付加辞"yn"で主語と動詞(動詞的名詞)をつないでいます。ウェイルズ語の[動詞]は付加辞と用いることで動作を表すため、それ単独では動詞的名詞と呼ばれるようです。
名詞の時との違いとしては、動詞の場合は付加辞"yn"の後ろにミューテイションが起こりません。
さて、上記の例文で注意すべきところは、以前ちょっと触れたように、英語で"in"を意味する"yn"の後の地名はN.M.が起こることです。日本の地名の場合は無視しても構いませんが、ウェイルズ語として存在する地名の場合、注意して置きましょう。
例えば、Caerdydd(カエルディー`ズ; カーディフのこと)の場合:
Yn Caerdydd → Yng Nghaerdydd (アンハエルディーズ)となります。その他は表を参照してください。(“Ng"の音は具体的にG音が出ない音です)
もちろん地名だけでなく、名詞を伴うことも可能です。
以下の例のそれぞれの違いがお解りになりますでしょうか?
- Rydw i’n siopa yn Somerfield yn Llambed bob dydd.
- ラドゥ・イン・ショッパ・アン・ソマーフィールド・アン・~サンベッド・ボブ・ディー`ズ
- 私はランピターのソマーフィールドで毎日買い物します。
-
Somerfield(ソマーフィールド)というのは英国のスーパーマーケットチェーンです。英語の固有名詞ですので、ウェイルズ語の文中でも英語読みで構いません。
ここでは前置詞"yn"が二つ使われていますが、両方とも後に続く単語がN.M.を起こしていません。
- Rydw i’n gweithio yn y bwyta.
- ラドゥ・イン・グウェイ`シオ・アン・ア・ブウィタ
- 私は(その)レストランで働いています。
-
前置詞"yn"の後には固有名詞ではなく、定冠詞"y"(“the"に相当)で限定された名詞が使われています。
前置詞"yn"の後ろに来ているのが"y"ですので、N.M.は関係ありません。
- Rydw i’n byw yn y dre.
- ラドゥ・イン・ビィウ・アン・ア・ドレ
- 私は(その)町に住んでいます。
-
実は、定冠詞"y"の後の女性単数名詞はS.M.を起こします。
「レストランで~」の例の場合、後に続く語が男性名詞"bwyty"なので、S.M.対象文字の"b"で始まっていても、S.M.が起こりませんでした。
ですが、ここでは定冠詞"y"の後ろに来るのが女性名詞"tre"です。なので、"t"→"d"というS.M.が起こっているのがわかりますね。
- Rydw i’n gweithio yn y siop.
- ラドゥ・イン・グウェイ`シオ・アン・ア・ショップ
- 私は(その)店で働いています。
-
「レストランで~」の文と同じに見えますね。ただ、"bwyty"と違い"siop"は女性名詞です。
“siop"は女性名詞なのですが、"s"はS.M.対象文字ではないので、S.M.が起こっていません。
- Rydw i’n canu yn yr eglwys.
- ラドゥ・イン・カニ・アン・ア・エグルウィス
- 私は(その)教会で歌っています。
-
“eglwys"上記「店で~」の文とおなじく、S.M.対象文字で始まらない女性名詞です。ただ、"siop"と違い"eglwys"は母音で始まっています。
これは後のUnedでもう一度詳しくやりますが、母音が後に続く場合、定冠詞"y"は"yr"に変化します。
これは男性名詞・女性名詞関係なく適用されるルールです。
男性名詞の例:
- Rydw i’n gweithio yn yr ysbyty. (私はその病院で働いています。)
- Rydw i’n yfed yn y dafarn/tafarn.
- ラドゥ・イン・アヴェッド・アン・ア・ダヴァルン/タヴァルン
- 私は(その)パブで飲んでいます。
-
パブを意味する"tafarn"は男性名詞にも女性名詞にもなるようです。Googleで検索すると"yn y dafarn"と書いている人と"yn y tafarn"と書いている人が両方いました。どっちでもいいのでしょう・・・。(適当やなぁ・・・)
- Rydw i’n darllen llyfrau yn y llyfrgell prifysgol.
- ラドゥ・イン・ダル~セン・~サヴライ・アン・ア・~サヴルゲ~ス・プリヴァスゴル
- 私は大学図書館で本を読みます。(I read books in the university library.)
-
この文を見て「あれっ」と思われた方は、S.M.対象文字を覚えておられる方ですね。素晴らしい。
本来は"LL"→"L"となるべき所です。しかし、定冠詞"y"の後ろの"LL"及び"RH"はS.M.しないという例外があります。
だから、ここでは"llyfrgell"のままなんですね。ややこしいですね。面白いですね。
- Rydw i’n byw mewn bwthyn yn y wlad.
- ラドゥ・イン・ビィウ・メウン・ブゥ`シン・アン・ア・ウラド
- 私は田舎のコテージ(小さな家)に住んでいます。
-
ここでいきなり前置詞"yn"のかわりに前置詞"mewn"が出てきました。"mewn"も英語でいうところの"in"の意味なのですが、より正確には"in a"の意味なのです。つまり、"mewn"の後に続く名詞は非限定の名詞です。
実は前置詞"yn"は限定名詞、固有名詞、地名でしか用いられず、"in a 何処何処"という場合はこの"mewn"を用います。ウェイルズ語では不定冠詞(英語でいう"a")はありませんので、この例のように"mewn何処何処"という書き方になります。
つまり、この例文では、"in a cottage" (←"mewn bwthyn")と"in the country"(←"yn y wlad")という、"in"を意味する二つのフレーズが出てきている事になります。もちろん前者が非限定、後者が限定の用法です。
付加辞"yn"の後ろに名詞・形容詞が続いたときにはS.M.が起こりましたが、前置詞"yn"の場合にはN.M.が起こることに注意してください。
ただ、頭が痛くなりそうですが、上記の通り、[前置詞"yn"+定冠詞"y"]の後の女性名詞はS.M.になります(LL/RHを除く)。
ついでに良く使いそうな次のフレーズも覚えてしまいましょう。これらは後のユニットでも出てきますが、「ついで」にここで少し触れます。
- Rydw i’n dod o Siapan yn wreiddiol.
- ラドゥ・イン・ドッド・オ・シャパン・アン・ウレイ`ズィオール
- 私は日本出身です。
-
[dod = 来る / o = ~から /yn wreidiol= もともと]ですので、「私は元々日本から来ています」、が字義です。
注意点として、前置詞"o"の後の単語はS.M.を起こします。
なので、「ランピター(~サンベッド)出身です」と言いたい場合、次のように、"Llambed"が"Lanbed"に変化します:
- Rydw i’n dod o Lanbed yn wreiddiol.
日本語の地名の場合は気にする必要はありませんが、気に留めておきましょう。
- Rydw i’n mynd adre.
- ラドゥ・イン・ミンド・アドレ(ミンダァドレ)
- 私は家に帰ります。
-
“adre"は「家のほうへ(toward home)」という意味ですので、"go"の意味である"mynd"と共に用いて"go home"という意味になります。
“mynd" 「行く」という動詞を現在形で用いると、「現在行っている」という意味でなく「行きます」という表現ができます(多分本当に近々な場合に使えると思います)。
要するに、英語で"I am going home."と言った場合と同じ感じだと思われます。
そのほかの動詞に関しては、ボキャブラリーシート(現在作成中)を参考にして下さい。
次の章では「私は~が好きです」という文を習い、動詞を組み合わせることで「私は~することが好きです」という表現を習いましょう。
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